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    塩野義製薬株式会社:合弁会社再編に係る現物出資に対する課税処分の取消しを求めた税務訴訟(控訴審)

西村あさひ法律事務所は、塩野義製薬株式会社(以下、「塩野義製薬」)が抗HIV薬開発のために英国製薬会社ViiV Healthcare Limitedとの間で設立した合弁会社の再編の一環として、英国子会社であるShionogi Limitedへ外国組合持分の現物出資を行ったことにつき、かかる税制上の適格性をめぐり、2014年に大阪国税局から受けた所得金額を約405億円増額する課税処分の取消しを求めて東京地方裁判所に対し提起した更正処分等の取消請求訴訟において、塩野義製薬を代理し、2020年の東京地方裁判所での実質的な全面勝訴の判決に引き続き、2021年4月14日、国側の控訴を棄却する全面勝訴の判決を得ました。国は上告を断念し、塩野義製薬勝訴の判決は確定しました。

本件は、当事務所の太田洋弁護士、弘中聡浩弁護士、伊藤剛志弁護士、野田昌毅弁護士および廣田雄一郎弁護士が担当しました。

弁護士等 People

太田 洋

太田 洋 Yo OTA

  • パートナー
  • 東京

敵対的買収・アクティビスト対応、クロスボーダー案件を含むM&A取引、コーポレート・ガバナンスその他のコーポレート案件、国内・国際税務案件、個人情報・パーソナルデータ保護案件を中心に、企業法務全般を幅広く手がけており、日本経済新聞社による「企業が選ぶ2022年に活躍した弁護士ランキング」では、企業法務分野(1位)にランクインしており、同じく「企業が選ぶ2021年に活躍した弁護士ランキング」では、企業法務分野(2位)に、また「企業が選ぶ2020年に活躍した弁護士ランキング」では、M&A分野(1位)、企業法務分野(3位)にそれぞれランクインしている。 また、会社法、金融商品取引法、租税法、個人情報保護法等を巡る最先端の問題についてアカデミアと実務とを架橋する研究・執筆活動に力を入れており、『M&A・企業組織再編のスキームと税務〔第4版〕』、『M&A法大全〔全訂版〕(上)(下)』、『新株予約権ハンドブック〔第5版〕』、『個人情報保護法制大全』、『種類株式ハンドブック』、『令和元年会社法改正と実務対応』、『バーチャル株主総会の法的論点と実務』など、編著者として編集・執筆した書籍・論文は多数に上る。

弘中 聡浩

弘中 聡浩 Akihiro HIRONAKA

  • パートナー
  • 東京

訴訟・紛争解決グループのパートナー。大型・複雑な国内・国際訴訟・国際仲裁・租税訴訟等を担当。大型・複雑な製造物責任訴訟、多数当事者による不法行為請求、大規模契約紛争、クロスボーダーM&Aを巡る紛争、ディストリビューター契約の解消を巡る紛争、会社訴訟、投資関連紛争、プラントの建設の遅延等を巡る国際建設紛争、国際仲裁(ICC, SIAC, AAA-ICDR, JCAA)等に関して、国内・海外の著名な企業にアドバイス。クラスアクション及びディスカバリーを含む米国の訴訟手続、海外の訴訟のための日本における司法共助手続、海外の紛争において問題となる日本法に関してもアドバイス。

主要な実績として、日本の著名企業が米国の投資銀行の関連会社や米国の著名ヘッジファンド等から提起された、請求額合計483億円に及ぶ6件の損害賠償請求訴訟につき、すべて完全な請求棄却判決を得た。また、塩野義製薬が医薬品開発のために設立した合弁会社の再編として行った現物出資につき受けた課税処分を争う税務訴訟で、2021年、133億円の還付金を得る実質的全面勝訴の判決を得た。

『国際仲裁と企業戦略』(共編著、有斐閣)、Yasuhei Taniguchi et al. eds., Civil Procedure in Japan(執筆分担、Juris Publishing)等、民事訴訟、国際訴訟・仲裁、租税訴訟の分野の著作多数。2022年、ALB Japan Law Awards 2022 - Dispute Resolution Lawyer of the Yearに選出。東京大学法学部第1類(LL.B., 1993)、Harvard Law School卒業(LL.M., 2003)。横浜地方裁判所裁判官(1998-2000)、Arnold & Porter(Washington D.C., 2003-2004)勤務。日本及びニューヨーク州の弁護士資格を取得。

野田 昌毅

野田 昌毅 Masaki NODA

  • パートナー
  • 東京

コーポレート・M&A分野のパートナーであり、事業会社同士の統合、買収、組織再編、資本・業務提携やジョイントベンチャー設立、PEファンドによる非上場化取引等の各種のM&A取引を主として担当しています。
 
 M&Aにも様々な種類のものがありますが、税務面等を含めた複雑なストラクチャリングが必要となる取引やインバウンド及びアウトバンドのクロスボーダーでのM&A取引を数多く手がけております。案件をリードするカウンセルとして従事した主な案件には、シンガポールのWuthelam Holdingsからの日本ペイントに対する敵対的買収提案に対する対応、日本生命による米国Post Advisoryの持分取得、楽天による統一超商(Presidential Group)からの台湾楽天の株式取得による100%子会社化、東京センチュリーリースによる米国GA Telesis株式の取得、日本ペイントによるWuthelam Holdingsに対する第三者割当増資及び海外8地域(中国、香港、シンガポール、マレーシア、パキスタン、スリランカ、ベトナム、バングラデシュ)におけるJV株式取得、AirAsiaの日本再参入に伴う楽天によるAirAsiaとの提携及び合弁会社である日本エアアジアの設立、日本生命がオーストラリアNational Australia Bankから投資事業等をカーブアウトした上で生命保険事業に特化する会社となったMLC Limitedの株式の80%を取得するとともに、MLC LimitedがNational Australia Bankとの間で20年間にわたる保険販売契約を締結する取引、日本の大規模上場会社が米国上場会社との間で株式のみを対価として対等統合を行う案件等があります。

伊藤 剛志

伊藤 剛志 Tsuyoshi ITO

  • 法人社員
  • 東京

M&A・組織再編・JV組成・MBO/ LBOファイナンス・金融派生商品・資産運用・不正調査/ 危機管理・事業再生などの様々なビジネス案件の経験を踏まえ、税務問題を法的な視点から多角的に分析・検討。複数の大規模な税務訴訟において納税者を代理して勝訴するとともに、税務調査にも対応。益々複雑化する租税制度において、クライアントの租税リスクコントロールをサポート。

廣田 雄一郎

廣田 雄一郎 Yuichiro HIROTA

  • 法人社員
  • 大阪

2001年の弁護士登録以後、米国留学および日本銀行への出向を経て、2012年の大阪事務所開設時より共同代表を務める。国内外のM&A、日常的な法律相談やコンプライアンスに関する相談等平時における対応に留まらず、株主提案等会社の支配権獲得に関する対応や、カルテル、危機管理、重要な訴訟等クライアントの非常時の対応実績も豊富。とりわけ、在阪企業の産業ガスカルテル事件における課徴金納付命令の審決取消訴訟、および製薬会社の法人税に関する更正処分に関する取消請求訴訟においては、いずれの事案も勝訴。危機管理対応や再生型M&Aにおいては、クライアントはもとより、他分野のプロフェッショナルとの緊密な関係を構築し案件の進行に寄与。広い視野と多角的な分析に基づいた案件対応を旨とする。