西村高等法務研究所

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お知らせ

概要

設立の趣旨

西村あさひ法律事務所は、理論と実務を統合してわが国法律実務の水準を飛躍的に高めるための活動を本格的に始動させるべく、2007年4月10日付で西村高等法務研究所(Nishimura Institute of Advanced Legal Studies) を設立いたしました。

西村あさひ法律事務所におきましては、かねてから、法律実務に従事するのみにとどまらず、『M&A法大全』、『ファイナンス法大全』の出版や各種の講演会の開催を通じて、対症療法的な「臨床的法務」や、問題の発生を回避するためだけの「予防的法務」を抜け出し、「戦略的法務」を実践するとともにその成果の公表を心がけてまいりましたが、このたび、理論と実務を統合してわが国法律実務の水準を飛躍的に高めるための活動を本格的に始動させるべく、落合誠一教授(東京大学名誉教授・中央大学法科大学院教授)を所長に迎えて、西村高等法務研究所を設立いたしました。

当事務所は、企業へのベスト・アドバイザーたらんとすることはもちろんですが、それにとどまることなくわが国法律実務全体の発展に積極的に貢献する事務所でなければならないと考えております。西村高等法務研究所は、この理念のもとに、法務に関する戦略的な視点に立った理論的・実務的な調査研究に基づき、法律実務に対して発展的・先端的な提言を行うとともに、法律実務の水準を高度化するための研修や講演を企画・実施するための研究組織です。日本における社会経済活動の発展のためには、法律実務の健全な発展が不可欠であり、西村高等法務研究所は、法律実務の発展に資するべく、従来の法律実務の枠内では取組みの困難な基礎的及び応用的問題について斬新な調査研究を行い、その成果を実務に還元していく所存です。

西村高等法務研究所 組織構成

理事会
研究所の業務執行を決定し、運営委員会の活動を監督する。
中里実 小野傑 保坂雅樹 武井一浩 太田洋 錦織康高 中山龍太郎 島田まどか
所長
中里実
運営委員会
理事会の下部組織として、研究所の企画・運営にあたる。
中里実 保坂雅樹 中山龍太郎 伊藤剛志 有吉尚哉 森田多恵子 水島淳 藤井康次郎 野澤大和

西村高等法務研究所は西村あさひ法律事務所内に設置された研究部門です。

所在地
東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー 〒100-8124

ご挨拶

 2007年4月に発足した西村高等法務研究所は、法理論と法実務の架橋をめざす研究機関です。

 法律学は、医学と同様、宿命的に実務を前提とする学問です。それ故に、法律分野における理論と実務の間には密接不可分の関係が存在します。理論の裏付けのない実務はもろく、実務を背景としない理論は空虚です。私自身、法律学の研究者として、実務を無視した理論がいかにむなしいものであるか、常々、身にしみて感じております。このような実務と理論の密接な関係を前提として、法実務の世界から法理論の世界に切り込もうというのが、西村高等法務研究所の設立の趣旨です。

 もちろん、理論と実務の架橋と一口に言っても、それは、いうは易く、行うは難い試みであるかもしれません。それにもかかわらず、その点を十分に理解しつつも、その目的を果敢に達成すべく、法律事務所があえて研究所を設立したというまさにその点に、本研究所設立時の小杉先生のご挨拶に現れているような、当時の熱気を感じ取ることができます。私自身、この研究所設立当時、設立に携わった先生方の真摯なお考えをお聞きし、その構想の壮大さに圧倒されたことを現在も鮮明に覚えております。

 初代の所長に落合誠一先生をお迎えした西村高等法務研究所は、その後、中山信弘所長に引き継がれ、現在に至っております。その活動は、研究会や講演会の開催、出版物の発行等、多岐にわたりますが、いずれの場合においても、理論と実務の架橋という当初の理念が今もそのまま引き継がれています。このように引き継いできた伝統を、後の世代のためにさらに発展させていくことこそが、現在の私達に課された使命であるように思われます。

 自己規定はしばしば本質を決定します。人間も組織も、自らがそうであると考えることにより、徐々にそのようになっていくという、自己実現予言の世界が現実に存在します。したがって、理論と実務の架橋を目指す高等法務研究所として自己を規定することにより、時の流れの中で、将来におけるこの研究所の本質がより明確なものとして明らかにされていくことでしょう。

 以上の次第で、今後とも、西村高等法務研究所においては、設立当時からの理念を掲げ続けながら、日本における法律実務と法理論のさらなる融合を目指し、将来に向けた真摯な努力を一歩ずつ続けていくつもりです。

― 西村高等法務研究所所長 中里実

西村高等法務研究所設立の経緯

1. 序言

近代国家において法律は、社会構造を支える基本的なインフラであり、日本の社会経済活動の発展のためには法律実務の発展が不可欠であります。当研究所は、かかる基本的認識に立ち、わが国の法律実務の発展に些かでも寄与することを目標とし、本年4月10日に西村あさひ法律事務所を母体として設立されました。

当研究所は、その活動として、戦略的な視点に立った法律実務の理論的、実証的な調査研究を推進し、これらに基づく先端的な提言を行うとともに、法律実務の水準を高めるための研修、講演、出版などの企画を、よりオープンな形で実施することを企図しております。

2. 研究所設立に至る経緯

皆様の中には「法律事務所がなぜ研究所なのか」という疑問を抱かれた方がおられるのではないかと存じます。そこで当研究所設立に至る経緯を簡単にご紹介させて頂きます。

私どもは、ビジネス法を中心とする各実務分野において高度の専門性と総合力を有する組織的な法律事務所を構築することを目指し、多くの法律実務家を結集して、知識・ノウハウの共有化やチームワークを重視した体制によって、仕事の質の向上と業務の拡充を図ってきました。

そしてお蔭様で多くの皆様方のご支援を頂き、今日では日本有数の法律事務所に成長することができました。また、7月1日に誕生する西村あさひ法律事務所は、海外の大規模事務所に比肩する日本で最初の本格的な大規模事務所として、更なる発展と飛躍を期しております。

ところで、一般に弁護士は、日常的な弁護士業務とは別に、プロボノと呼ばれる公益活動を行うことが普通のこととされています。典型的には、弁護士会を通じた、国選弁護や当番弁護の刑事弁護活動、多重債務者問題を始めとする法律相談などの活動があり、当事務所も、所属弁護士がこれらのプロボノ活動を行うことを奨励していますが、これらはどちらかというと個人を対象とする性質のものであり、私どもが日常的に行っている業務とは異なる部分が多いと言えます。そのためもあって、私どもは、日頃から社会にとって有益なプロボノ活動とは、必ずしもこれらの活動に限定されるべきものではなく、企業法務を中心として業務を行っている弁護士や法律事務所ならではの特徴を生かした活動で、公益的な意味を有するものもあるのではないかと感じておりました。

また、私どもは日本を代表する法律事務所として、既成の弁護士像や法律事務所像に囚われない、新しい時代の法律事務所を志向しており、その特色を象徴的に示せるものが欲しいと考えておりました。

もともと、当事務所の多くの弁護士は、これまでに公的な審議会、研究会などへの参加、ロースクールを始めとする大学等における実務家教員としての活動、あるいは法律実務から派生する様々な問題をテーマとする書籍の出版、法律雑誌への寄稿、各種セミナー活動などを積極的に行っておりますが、これらの活動は、単に日常業務に役立つというよりも、むしろ法律の普及という観点から、社会に貢献できるものであることに、その意義を見出しております。

このような事情が背景としてある中で、昨年、たまたま機会があり、落合誠一教授とこのようなお話をさせて頂いたところ、私どもの考えに大いに共感を示して頂きました。そこから話が具体化し、そのような活動を、単に一法律事務所の自足的な活動として行うのではなく、より広く社会に開かれた形での公益的な活動として行うべきであり、またその趣旨を明らかにするためには、法律事務所自体の活動とは一線を画した組織とすることが適切であろうということになりました。また、このような構想については、本日講師としてお招きした他の学者の先生方からも励ましとご支援を頂いたこともあり、当研究所を発足させることとして、落合教授にはご無理をお願いして所長の任を引き受けて頂いた次第です。

3. 結語

以上のような経緯で当研究所が誕生いたしました。今後は徐々に態勢を整備し、わが国における法律実務の健全な発展に寄与するとの設立精神に沿って、アカデミズムと法律実務を包摂する斬新な企画を立てて、その活動を充実させてまいりたいと存じております。

皆様方には、私どもの志をご理解頂きまして、当研究所に対して温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

― 弁護士 小杉晃(当時、西村ときわ法律事務所(現 西村あさひ法律事務所)執行パートナー)の西村高等法務研究所設立記念講演会(2007年5月31日開催)における挨拶より抜粋