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「不正行為発生のメカニズム」を踏まえた従業員不祥事の早期発見・抑止に向けたポイント

  • 所外セミナー

「不正行為発生のメカニズム」を踏まえた従業員不祥事の早期発見・抑止に向けたポイント

日時
2024年5月29日(水)13:00~17:00
会場
企業研究会セミナールーム

梅林啓弁護士が2024年5月29日(水)に、企業研究会主催のセミナーにおいて「『不正行為発生のメカニズム』を踏まえた従業員不祥事の早期発見・抑止に向けたポイント」と題する講演を行いました。

セミナー詳細

1. 不正・不祥事対応の現状と新しい視点の必要性
(1)企業における従来の不正・不祥事対応から導かれる“結論”と“反省、あきらめ”
(2)不正行為発生のメカニズム(=新しい視点)から不祥事対応にアプローチする必要性
  ・そもそも不正行為はなぜ発生するのか?
  ・不正行為を行う従業員は、もともと資質に問題のある者なのか?
  ・従業員が不正に走った一因は、会社にもあるのではないか?

2. 不正行為発生のメカニズムの解明~会社資産の不正流用(横領)をケースに~
(1)不正のトライアングル(動機・機会・正当化)とは何か?
(2)お金が必要という「動機」(プレッシャー)
  ・従業員自らが作り出す動機、会社の行為によって作り出された動機の事例
(3)不正流用ができる「機会」
  ・入金処理、不正支出に絡む機会の事例
(4)不正そのものの「正当化」
  ・「悪いことではない」との自らへの言いきかせ、他人への責任転嫁と具体例
  ・正当化という要素が持つ固有の特徴と留意点

3. 不正行為の早期発見に向けたポイント~不正行為発生のメカニズムを踏まえて~
(1)「機会」の発見
  ・機会がどこに潜んでいるかを考える
  ・不正の機会を得てしまった従業員に見られる行動の特徴
  ・機会を見つける方法(取引先からの情報提供、上司のチェック機能の検証、内部監査の充実、など)
(2)「動機」の発見
  ・動機を発見するための視点(個人的悩みへの関心、社内コミュニケーションの充実、など)
(3)「正当化」の発見
  ・不正を正当化してしまった従業員に見られる行動の特徴

4. 不正行為の抑止に向けたポイント~不正行為発生のメカニズムを踏まえて~
(1)「機会」に関する抑止策
  ・権限集中の回避
  ・日常的なモニタリング体制、不正が発見できる内部監査体制の確立
(2)「動機」に関する抑止策
  ・会社の行為が、時に従業員の「切羽詰まった状態」を作り出す
(3)「正当化」に関する抑止策
  ・従業員のモラル維持に向けた“しらけない”教育・研修制度の必要性
  ・不正への厳正なる処分、人事、昇給、昇進に関する透明性・公平性の確立

5. その他不正行為への応用~機会・動機・正当化のどこに着目し、どう対策を講じるか~
(1)秘密情報の持ち出し
(2)製品・食品事故・偽装、各種法令違反
(3)インサイダー取引

講師等 Speakers

梅林 啓

梅林 啓(講師) Kei UMEBAYASHI

  • パートナー
  • 東京

危機管理分野のパートナーとして、主に、役職員による不正行為、情報漏洩、独禁法、金融商品取引法、その他の各種業規則法等の法令違反など企業不祥事案件を受任し、具体的には関係者への事情聴取を含めた社内調査対応、原因分析、再発防止策の策定、報告書の作成、マスコミ対応、民事・刑事の法的措置等幅広い業務を担当し、公正取引委員会や証券取引等監視委員会をはじめとする当局対応も迅速に行っております。
 また、不祥事発生時や、コンプライアンス体制の構築に関する経験をふまえて、日本弁護士連合会の第三者委員会ガイドライン、社外取締役ガイドラインの作成にも関与致しました。
 案件だけではなく、社内調査、情報漏洩、不正行為発生のメカニズム、行政調査に関するセミナー講師も多数務め、前職である検事時代に培った、現場での経験や各種ノウハウを踏まえて、今は弁護士の立場から、企業の危機管理対応の具体策を提案しております。