メインコンテンツに移動
Language
  • プロボノ
  • コミュニティ
  • DE&I

東京山の手ロータリークラブが主催する小・中学生を対象とした職業体験での模擬裁判法廷(2024年)

ー西村あさひの法教育プロジェクト

イベントの概要

東京山の手ロータリークラブが2023年6月より行っている養護施設に所属する小・中学生を対象とした職業体験イベントにて、クラブ所属の弁護士で構成される法曹チームが出展する模擬裁判ブースに、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業 法教育チームは2023年に引き続きプロボノとして参加し、全面的なサポートを行いました。
当事務所から参加したメンバーは、東京山の手ロータリークラブが本イベントにて目指している公平な教育機会の提供という理念に共感し、子どもたちへ多様な将来像を提供出来るよう、力を入れて取り組みました。

模擬裁判の概要

2024年は、2023年も登場した動物村の住人である「くまおくん」が、勤務先のパン屋さんで売り物のパンを10個盗んで食べてしまったと疑われ、パンの代金を給料から引かれてしまったという事例を題材にして、本物の訴訟の流れに沿ったシナリオで模擬裁判を実施しました。
ブースを訪れた子どもたちは原告側代理人役と裁判官役のどちらかを自由に選んで参加し、裁判の進行や尋問に積極的に携わりました。弁護士役の子どもたちは物語を追いながら事件を理解し、「お助けカード」と題したヒントを用いて尋問を進め、当事務所のメンバー演じる被告を追い詰めました。裁判官役の子どもたちは、裁判官お助けブックを用いて裁判を進行し、行われた尋問や証拠を見て、どちらの主張が正しいのか、合議のうえで判決を導き出しました。
難しいと思われがちな法律が、自分たちの抱える身近な問題を解決する手段になっていることを楽しく体験してもらいたいという思いから、子どもたちにわかりやすいストーリーを交えて模擬裁判を構成しました。
模擬裁判の様子(ロータリーご提供の写真)
 

模擬裁判に参加して

保科 航太 弁護士
小・中学生を対象としたイベントでしたので、法的な論点について考えてみるというよりは、立証や事実認定の問題を中心に考えてもらうような形のシナリオを準備しました。参加者の年齢層が小学校低学年から中学生までと広い中で、皆さんに興味を持ってもらえるかという不安もありましたが、証人尋問のシーンでは、用意された質問だけではなく、自分の頭であり得る可能性を考えて疑問点をぶつけてみるというように、積極的に参加してくれました。終了後には「楽しかった」という声も聞かれ、非常に有意義なイベントになったと感じました。
裁判や弁護士というと、日常とは遠い世界の話のように聞こえてしまうし、実際にはその方がよいのかもしれませんが、多くの人に法律に興味を持ってもらい、身近に感じてもらうことが、ひいては国民の権利実現や多様な法曹人材の確保につながるのであり、そこに法教育の意義があろうかと思います。このようなイベントがより活発に行われるように、自分も引き続き力になりたいと考えております。

河内谷 あすみ 弁護士
未来を担う子どもたちの教育にとても関心があり、弁護士の立場から携われることがあれば、と思っていたところ、今回のイベントを知り参加いたしました。
裁判官・弁護士という職業の性質上、子どもたちにとっては馴染みの薄い・難しい職業とも思われるため、当日、うまく進行するだろうかと不安に思うこともありました。しかし、実際に法廷がはじまると、子どもたちなりに原告のくまおくん、被告のきりんさんの言い分を一生懸命に聞き、証拠の映像をじっくりと分析し、「これは聞いてみたい」「ここがおかしいんじゃないか」という点を考え、積極的に質問を投げかけてくれました。
⾼度な専門知識を持ち抽象的思考の下に課題を解決する業務や、⾼度な内容の対人コミュニケーションを通じて価値を創造・提供する業務等の、いわゆる「非定型業務」の重要性がますます増している現代において、人の話を傾聴し、自分の頭で考え、必要なサポートを行う力は強い武器になると考えられ、今回のイベントを通して子どもたちがこうしたお仕事に挑戦してみたいと思うきっかけになっていれば幸甚です。

杉本 遥 弁護士
模擬裁判の準備に参加させていただいたのは、もう半年以上前のことです。会ったことのない子どもたちの顔を想像しながら、彼らの興味をかきたてる模擬裁判とはどのようなものだろうと考えました。検討の結果、目指したのは、リアリティと親しみやすさとを兼ね備えた、バランスの良い模擬裁判です。本番が近づくにつれ、果たして準備の方向性はずれていないだろうかと不安に思う日もありましたが、当日、子どもたちの顔を見ると、それぞれ真剣な表情や面白くて仕方ないといった表情を浮かべてくれていました。難しい法律用語を一生懸命読み上げ、SNS投稿を模した証拠にクスッと笑い、防犯カメラ映像にヒントがあるのではないかと夢中で見つめてくれました。裁判という決められた答えのない問を前に、自らの考えを持ち、その考えを言葉にして人に伝えることは、勇気を要したと思いますが、子どもたちは見事にやり遂げたと思います。直接感想を聞くことができたのは数人限りでしたが、参加してくれた全員に対して、賛辞の言葉を贈りたいです。

平山 祐らら 弁護士
「法律、最強!最強!」
裁判官役の閉廷の言葉の直後、弁護士役の子が満面の笑みで喜びの絶叫を響かせてくれました。私は被告役として模擬裁判に参加しました。尋問の際には、原告役や裁判官役の子どもたちから際どい点を問いただされ、柔軟な想像力と正義感に圧倒されました。子どもたちが一生懸命主体的に参加し、依頼者のために闘う面白さや公正な裁判をする難しさ等色々感じ取ってくれた様子が見られ嬉しかったです。
私自身高校生の時に弁護士主催の模擬裁判に参加したことがあり、弁護士を目指したきっかけの一つになりました。今回子どもたちと関わる中で当時法曹三者に対して抱いた憧れを思い出し、日々の仕事への原動力になっています。

今西 真衣 総合変革課 DE&I推進担当
本イベントの「公平な教育機会の提供」という理念に惹かれ、「子どもたちの興味の幅が広がる」手助けができればと思い、今回初めてプロボノ活動に参加しました。
当日、私は被告役を演じ、原告代理人の子どもたちの自由な発想や着眼点からの質問に驚きながらも、よくドラマででてくる裁判をイメージしながら答えていきました。答えに対して、子どもたちが「ああでもないこうでもない」と言って楽しみながら参加している姿を見ることができて嬉しかったです。本件を通し、子どもたちが法曹界を「おもしろそう・楽しそう」と思い、少しでも興味をもってもらえていれば幸いです。
今後も、スタッフがプロボノでできることは何かを考えて行動していきたいと思います。

集合写真

プロジェクトメンバーMember

三村 まり子 MARIKO MIMURA

  • オブカウンセル
  • 東京

医療機器・製薬企業において、法務・コンプライアンス・渉外部門を担当する役員として企業経営に携わってきた経験を活かし、国内外のライフサイエンス企業に対して、研究開発から市場における販売活動に至るまでのレギュレーション、コンプライアンス、M&A、ライセンス契約等のアドバイスを行うと共に、GMP違反等の不祥事案件に関し、外部調査委員として調査を行い、再発防止のアドバイスを行っています。また、外国企業の日本への進出、他業種からのライフサイエンス産業への参入、ライフサイエンス系ベンチャー企業の立ち上げ等、新規にライフサイエンス産業に参入する企業へのアドバイスを行っています。更に、プロボノやダイバーシティ推進活動、ビジネスと人権、ESGの分野についても積極的に関与し、クライアントへのアドバイスを行っています。

厳 佳恵 Kae GEN

  • アソシエイト
  • 東京