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裁判傍聴サポートと座談会実施(光塩女子学院)

ー西村あさひの法教育プロジェクト

裁判傍聴サポートと座談会を行うこととなった契機と準備

西村あさひ法律事務所・外国法共同事業の法教育チームの2024年の取り組みの1つに参加した平山祐らら弁護士が、自身の母校である光塩女子学院でもぜひ法教育を実施してみたいとの強い思いから、同校の教務主任である塚田聡子先生にお声がけし、中学3年生・高校1年生を対象とした裁判傍聴サポート及び座談会を実施いたしました。

 

根本剛史弁護士、松長一太弁護士、平山祐らら弁護士(同校卒業生)にて引率の下、東京地方裁判所で刑事裁判を傍聴し、傍聴終了後は当事務所の会議室にて刑事裁判の解説を行いました。

 

裁判傍聴に関する解説・質疑応答の後は、少人数のグループに分かれて、弁護士の仕事やキャリア、ワークライフバランスや学生時代の過ごし方などについて、2年目の女性弁護士(平山祐らら、進藤万由、和田萌楓、稲別知咲、太田美礼、宮野恵)に自由に質問する形での座談会を実施いたしました。

東京地方裁判所での刑事裁判傍聴と解説

生徒さんは3班に分かれ、詐欺罪又は覚醒剤取締法違反の審理を傍聴しました。冒頭手続から始まる一連の審理の流れを傍聴した班と、情状証人の尋問や被告人質問を傍聴した班とがありましたが、事前に刑事裁判の流れを予習したり、裁判所からのパンフレットを確認しつつ、審理の流れを把握しながら傍聴していただきました。

裁判の後は、傍聴した裁判の簡単な解説を行い、生徒達からは、「なぜ検察官は風呂敷に入れて資料を運ぶのか?」「判決を書くにはどのくらいの日数がかかるのか?」「証人は尋問の前にどのような準備を行うのか?」「被告人が手錠をかけられて入場したのではなく、普段着で傍聴席から出てきたことに驚いた」など活発な質問や感想が出ました。

座談会について

少人数のグループに分かれ、弁護士の仕事やキャリアを選んだ理由、受験時代の話やワークライフバランス、将来の夢について質疑応答の形でお話をしました。企業法務の事務所として刑事弁護にはどのように関わっているのか、受験時代の勉強方法、今後のビジョンなど積極的に質問があり、あっという間の30分間でした。

光塩女子学院の先生や生徒の方からいただいた感想

光塩女子学院の生徒の皆さんからは、本企画実施後、
「裁判は被告人だけでなく、その家族にも大きな影響を与えるものだということを考えることができた。裁判は多くの人の人生を変える場所で、軽い気持ちで臨んではならないと感じた。」

「尋問を通して、事件当時の心境や家族関係などを詳しく聞き明らかにしていくことで、単に罰を与えるということだけでなく、被告人が二度と同じ事を繰り返さないようにする方法を模索するということも、裁判の大切な役割であると感じた。」

「弁護士の先生の『裁判に来る人は世間でいう、“今、普通に生活できていない人。”だから僕らはそういう人たちを助けるんだ。』とおっしゃっていた言葉から、法曹は人を助ける素敵な仕事だと思った。」

「弁護士や検察官からの質問は、裁判官が正しい判断を下すための通り道であり、その質問の内容で被告人の運命が決まるのだと感じた。」

「企業同士の取引の中で生じる法律問題を取り扱っている事務所があることを知り、ますます法律に興味を持った。」

「実際に裁判が行われている様子を見たり、企業法務とはどのような活動かを知り、改めて、法律に興味を持ち、さらに知りたいと思った。将来、法律を扱う仕事に就けるよう、これからも日々勉学に励みたい。」

「進路選択についても、様々な体験談や助言をいただけて、嬉しかった。」

「今回の見学で裁判官や弁護士の方を身近で見ることができとても格好良いと感じた。法学部も視野に入れたい。」

「進路選択の視野が広がり、弁護士という職業を憧れから現実的な選択肢として捉えるきっかけとなった。」
等々嬉しいご感想をいただきました。

 

本企画をご担当いただいた塚田聡子先生からは、「自ら参加を熱望していた生徒たちでしたので、緊張しながらもこの時間を心待ちにしておりました。生徒たちにとってなかなか自分から足を運ぶことが難しい場で、現場で活躍されるプロの先生方の解説をいただきながら学ぶことができたのは、大変貴重な経験となったと思います。

裁判傍聴のみならず、オフィス見学もさせていただき、また座談会を通して法曹界で働くということ、学生時代にやっておくべきことなどのアドバイスを伺うことができたことも贅沢な時間でした。頭も気持ちも柔軟な中高時代にこのような体験をさせていただき、心から感謝しております。これからの生徒たちの成長がとても楽しみです。」とのご感想をいただきました。

担当した弁護士の感想

平山 祐らら 弁護士
12年間光塩で学んだ卒業生として、久しぶりに恩師や光塩の在校生と触れあい、中高生の純粋な発想や高度な質問、感想に感動しつつ、意外にも法曹を目指してくれる生徒様が多いことにも驚きました。裁判傍聴中も真剣にメモを取り続けてくれたり、傍聴後に被告人の供述の信用性について疑問を投げかけてくれたりと、真剣に参加してくれた姿が嬉しかったです。弁護士や裁判官は身近な職業ではないと思いますが、今回の機会を通して、生徒の皆様が弁護士や裁判官といった職業へのイメージを持つことができ、将来の選択肢を広げるお手伝いができていれば幸甚です。

松長 一太 弁護士
ご参加いただいた生徒の皆様は、自ら希望して参加されたと聞いておりましたが、大変熱心な姿勢に、案内をした弁護士の方が驚かされました。ほとんどの生徒の皆様が裁判傍聴は初めてとのことであり、また、実際の裁判手続は、ドラマと違って、決して分かり易いものではないため、理解してもらえるか心配していましたが、次々と質問ができるくらいに裁判手続に興味関心を持っていただけたことは、大変嬉しいことでした。

参加された生徒の中には、将来、弁護士として活躍することを志望している方もおり、当プログラムが、そのような生徒の皆様のお役に立てたことは、大変光栄に思います。

法曹関係者の扱う仕事は、社会で実際に起こっている事件、取引などを扱うものであり、体験することが大変重要だと思います。将来、司法の仕事に携わることを目指す学生の皆様はもちろんのこと、そうではない皆様も、社会生活を送る上で、司法の世界との関わりは、多かれ少なかれ避けられません。今後も、当事務所は、多くの学生の皆様に、司法の世界を体験していただく機会を提供することを通じて、社会に貢献して参りたいと考えております。

プロジェクトメンバーMember

複雑なM&A案件を多数手掛け、依頼者に寄り添って真摯なアドバイスを行っている。M&A関連の紛争の経験も豊富であり、創業家株主のいる会社の諸問題にも精通している。近時は、ビジネスと人権、インパクト投資等の案件にも多く携わっており、サステナビリティの観点から企業にアドバイスを行っている。また、プロボノ案件も積極的に行っており、日本で有数の経験を有する。