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出張教室報告(お茶の水女子大学附属高等学校)
ー西村あさひの法教育プロジェクト
出張教室を行うこととなった契機と準備
出張教室の概要
放課後には座談会を実施しました。場所を変えて高校内の教室で、弁護士との個別の対話を希望する生徒さん向けに、少人数のグループで懇談しました。弁護士4名がそれぞれ1つのテーブルを担当し、生徒の皆さんが各テーブルを順番に移動して全ての弁護士と会話する形式で行いました。生徒の皆さんからは、法律や法学、弁護士の仕事、進路選択等について、非常に熱心に様々な質問をいただき、弁護士も一つ一つに丁寧に対応することを心掛けました。
担当教諭や生徒の皆さんからいただいた感想
- 「弁護士は裁判でしか仕事をしないと思い込んでいたが、実際は法律のスペシャリストとして、法を使って争いを防いだり人や物を守ったりする仕事をなさっていた。今後、自分のキャリアを考えるうえで仕事内容とその仕事の目的に注目して、その仕事を深く理解することが大切だと思った」
- 「法学部ではなく理系学部に進学したあともロースクールに入学し、法曹界に入るチャンスがあると聞き、自分も将来の選択肢の1つとして考えたいと思った」
- 「進路に対して悩みが尽きることがないが、自分のわくわくに従えば大丈夫だという安心感をもらえた」
- 「法というものが人や社会の上に成り立つものであり、法が全ての権力の上にあるということに改めて気付かされ、法を学ぶ魅力にも気づけた」
- 「女性が少ない職場でも育児に対する配慮がなされており、子育てをしながらでも仕事をきちんとこなすことが出来る職場環境は素晴らしいと思った」
等の感想をいただきました。
担当された飯島先生からは、
「実務に携わる弁護士の方々からお話を伺うことができ、実感を伴って法や法曹について学ぶ機会となりました。本校卒業生にもお話しいただき、ロールモデルとして良い刺激を受けたと思います。後日には希望する生徒の事務所訪問を受け入れてくださり、継続的な連携に感謝しています。」
という感想をいただきました。
担当した弁護士の感想
お茶の水女子大学附属高等学校卒、東京大学法学部卒
お茶高は約半数が理系学部への進学を選択されるようですが、仮に理系に進んだとしても、日々の生活・研究・仕事に法律が関わっていることを知って欲しい、少しでも法律・法曹に興味を持ってもらえるといいな、そして、高校生の皆さんにとって将来の可能性・選択肢は幅広いことを伝えたいという思いで授業に臨みました。法学部・法曹における女性比率がまだ低いということに驚く生徒が多かったので、今回の取り組みが、ダイバーシティ推進の一助になれたらなと思います。
私立南山高等学校女子部卒、東京大学理科一類・薬学部卒
弁護士の女性比率も全体の2割程度とまだ低いですが、とりわけ、日本のSTEM(科学・技術・工学・数学)分野における女性割合はOECD加盟国のうち最低のポジションをキープし続け伸び悩んでいます。今回の出張教室では、特にSTEM分野に対する興味・関心の高いお茶高の皆さんに、一括りに「理系」といっても、将来の職業・キャリアは多様であることをできるだけ具体的なイメージを持って知っていただき、既成概念にとらわれずに、それぞれが希望される分野に進まれることを応援したいなと思い、自身の経験を交えてお話させていただきました。法学部・法曹を志望される生徒の皆さんにも、国境を越えて複数の法域に跨がり、かつ、新しい技術と法が交錯するプロジェクトに取り組む面白さなどを少しでも感じ取っていただき、弁護士の仕事に対する関心・理解を深めていただく機会になったのであれば嬉しいです。
総評
プロジェクトメンバーMember
複雑なM&A案件を多数手掛け、依頼者に寄り添って真摯なアドバイスを行っている。M&A関連の紛争の経験も豊富であり、創業家株主のいる会社の諸問題にも精通している。近時は、ビジネスと人権、インパクト投資等の案件にも多く携わっており、サステナビリティの観点から企業にアドバイスを行っている。また、プロボノ案件も積極的に行っており、日本で有数の経験を有する。
製薬・ライフサイエンス分野における、国内およびクロスボーダーのライセンス取引、戦略的提携、共同研究・開発、M&A取引等の様々な種類の企業間取引について、知的財産権法や薬事・医事規制に関するアドバイスを提供。また、国内外で同時並行で係属する、医薬(化学・バイオ)分野の知的財産に関する紛争案件(特許権侵害訴訟・特許無効審判・審決取消訴訟等)についても経験を有する。医療・介護・健康分野のデータ利活用について、個人情報保護法など国内外のデータ保護規制に関する案件にも数多く従事。
国内案件のみならず、クロスボーダー(特に米国・欧州・アジア)のM&A・リストラクチャリング案件(米国Chapter 11案件を含む。)に多数関与。先例の少ない複雑な事案においても、クリエイティブなストラクチャーの提案・構築や複雑な利害関係の調整に尽力し、国内外のクライアントの意向・ニーズを最大限実現できるよう注力。事業からの撤退(日本法人の解散・清算、海外関係会社の整理等)、クロスボーダー合弁事業の解消等も対応。その他、会社法、金融商品取引法、労働法を含む、企業法務全般についてアドバイス。
再エネ特措法施行以前から各種発電事業やその他インフラ関連事業に係るプロジェクト関連の契約実務やプロジェクト・ファイナンス、PFI/PPPその他のストラクチャードファイナンスの案件に数多く関与。各種の金融取引や一般企業法務を幅広く取り扱っており、豊富な経験に基づき国内外のクライアントに対しアドバイスを行う。金融機関のプロジェクト・ファイナンス関連の営業部に出向した際のフロント業務の経験を踏まえて、クライアントの目線に立った迅速かつ柔軟な案件対応を行う。また、経済産業省や資源エネルギー庁等によって設置された複数の委員会の専門家メンバーとして、電力市場に関する政策立案等にも関与している。これらの業務やD&I等に関する取組みが評価され、2022年には、英国Financial Times誌において、Innovative Lawyers Asia-PacificのInnovative Practitionersとして紹介されている。