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経済安全保障
自由で開かれた国際的な経済活動の活発化により、世界経済が成長し、国家間の相互依存関係が拡大・深化してきましたが、近年、安全保障環境の厳しさが増すと共に、地政学的な緊張が高まっています。とりわけ、米中はそれぞれ通商・投資、人権、産業振興など幅広い分野にわたり、自らが目指す国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した様々な政策を講じており、両国の戦略的競争は長期的に継続することが見込まれます。また、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシアによるウクライナへの侵攻により、国際環境が益々複雑化しています。
サプライチェーンはグローバル化や技術の進展によって多様化が進んできましたが、上述のような国際情勢によって脆弱性が顕在化しており、重要物資に関する効率的かつ強靱なサプライチェーンの構築は企業や国家の自律性を向上する上で課題になっています。
また、近年の情報通信を始めとする分野での急速な技術革新により、軍事技術と民間技術の境界が曖昧になった結果、民間技術の軍事転用により安全保障に影響が生じるリスクが高まっており、機微技術の管理は一層重要となっています。既存の機微技術の管理とは別に、ゲーム・チェンジャーとなり得る先端技術を新たに開発することも、各国の軍事的・経済的優位性を確保する観点から重要となっています。
さらに、DX化や情報通信技術の進展は、有事において国家が軍事的手段と非軍事的手段を組み合わせるいわゆる「ハイブリッド戦」をもたらしたのみならず、平時においても、重要インフラ、企業情報や個人情報を守るサイバーセキュリティ対策の重要性を飛躍的に高めています。
こうした状況下、諸外国は、経済安全保障の重要性を認識し、重要物資の確保、先端的な技術開発、機微技術の流出防止、重要インフラの保護等を目的として、投資管理や輸出管理を強化したり、補助金などの支援策を講じています。日本においても、自律性の向上や優位性・不可欠性の獲得の観点から、2020年の外為法の改正等を通じた対内直接投資規制の強化、2022年の外為法に基づくみなし輸出規制の対象の明確化に加えて、2022年5月には、サプライチェーンの強靭化、基幹インフラの安全性・信頼性の確保、先端的な重要技術についての官民協力、特許出願の非公開化に関する制度整備を行うことにより、安全保障の確保に関する経済施策を総合的かつ効果的に推進するための、いわゆる経済安全保障推進法が成立しました。
当事務所は、こうした経済安全保障に関する問題について、長期にわたり取り組んできております。これらの問題は、米中の政策・法規制、国際通商、投資スクリーニング、安全保障貿易管理、経済制裁、知的財産、サイバーセキュリティ等の、多くの法分野や政策が複雑に絡みますが、当事務所は、米中の拠点と連携しながら、これらの分野について豊富な知見・経験を有する弁護士、日本政府における執務経験を通じてこれらの分野の政策に携わってきた弁護士などにより、案件ごとに最適なチームを構成し、企業が執るべき対応について戦略的アドバイスを提供しています。
当事務所の経済安全保障を含む通商分野への取組は世界中の法律事務所及び弁護士を評価する著名な海外ランキング誌であるChambers Global及びChambers Asia-Pacificにおいて高い評価を受けています。
また、通商・経済安全保障の分野に対する各弁護士の取り組みも高い評価を受けています。
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