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一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS) 寄附講義 「実務金融取引法」

  • 当事務所主催

一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS) 寄附講義 「実務金融取引法」

日時
春学期 毎週火曜日(2009年4月7日~2009年7月21日) 第2時限(午後8時00分~午後9時30分) 全15回
会場
千代田区一ツ橋2丁目1番2 学術総合センター内 ICS 6階

一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)において、当事務所が寄附講義として「実務金融取引法」(全15回)を開講いたします。講義の詳細は下記の講義スケジュールをご覧ください。

お問合せ先:
西村あさひ法律事務所 ICS寄附講義 事務局担当
E-mail: ics-lect@nishimura.com

講義スケジュール:

第1回 4月7日(火) サブプライムローン問題とは何だったのか
五味廣文顧問 (前金融庁長官)
サブプライムローン問題が世界金融危機にまで発展した要因を、金融行政経験の視点から概観し、今後の対応や規制の考え方について私見を解説する。

第2回 4月14日(火) 子会社の不祥事等をめぐる企業の危機管理
町田幸雄弁護士 (元最高検察庁次長検事)
最近、主な企業では、コンプライアンス意識が大分浸透しつつあるように見える。しかし、表面化する企業の不祥事は相変わらず多く、中でも、偽装関連、子会社関連のものが目立つ。何故このような現象が生じているのか、その対応にはどういう心構えが大切か。このような問題意識の下に、いくつかの具体的事例を通じて、企業の対応のあり方を考えたい。

第3回 4月21日(火) 倒産手続とファイナンス
宮崎信太郎弁護士
民事再生手続、会社更生手続を中心とした法人の倒産手続の流れを、リーマンブラザーズの再生事件等の具体的な事例を取り上げながら概説した上で、金融機関による倒産会社への融資に関し、(1) 法的申立前の緊急融資、(2) 申立後の融資(いわゆるDIPファイナンス)、(3) 再建の計画認可後の出口における融資(いわゆるEXITファイナンス)における問題点、注意点について概説する。また、アメリカの再建手続であるチャプターイレブン及びそこでの金融機関の融資対応についても簡単に紹介したい。

第4回 4月28日(火) 外債発行I (日本法と外国法との交錯を中心に)
安田三洋弁護士
・商法、証券関連法、外為法等の変遷と外債の歴史
・外債発行に伴なう諸契約の関係 ←特にTrusteeの位置づけ
・会社法上の問題(外債は社債か、社債権者集会、社債管理者、CBの有利発行性)
・外債CBと国内CBとの相違点
・租税特別措置法上の取扱い

第5回 5月12日(火) 種類株発行によるファイナンス
石津卓弁護士
・会社法における種類株式制度
・種類株式の活用法
・種類株式の上場

第6回 5月19日(火) 買収ファイナンス
杉山泰成弁護士
M&Aの一形態として、SPCを設立し、デット投資とエクイティ投資を組み合わせて、対象企業・事業の買収資金を調達するLBO取引がある。
本講義では、このようなLBO取引におけるファイナンス手法に関して、取引のストラクチャーとM&A完了に至るまでの流れ、ローン契約の特色や担保設定の方法等につき、サブプライム問題発生後の変化も含めて概説する。

第7回 5月26日(火) 証券化とJ-REIT
上野元弁護士
1.(簡単な復習)証券化商品の基礎的理解
2. J-REITの基礎的理解
3. 証券化取引における信用補完
4. 証券化取引とCDS取引
5. 証券化取引の破綻時処理
6. J-REITの倒産時処理
7. 困窮J-REITの資本援助等

第8回 6月2日(火) デリバティブ取引
仲田信平弁護士
・クレジット・デリバティブのオークションに関するハードワイヤリング
・OTCデリバティブに関するCCPの整備状況

第9回 6月9日(火) 証券化・仕組商品への投資とリスク管理・紛争対応
斎藤創弁護士
証券化商品やクレジットデリバティブ契約を利用した仕組商品に対する投資に関連し、(1) メガバンクや地方銀行等金融機関の体制整備、(2) リスク管理、(3) 損失発生時の対応、(4) 紛争対応、(5) これらに関連する金融機関の取締役の善管注意義務、等の問題点について、現在議論されているバーゼルII規制の改正等も踏まえながら、試論を紹介する予定。

第10回 6月16日(火) 金融ストラクチャリングにおける租税法上の留意点
北村導人弁護士
1. 我が国における様々な事業体の租税法上の取扱いの概説
2. 海外事業体の我が国租税法における取扱いに関する近時の論点と留意点
3. 国際取引に係る国際税務の概説と実務上の留意点
4. 最近の税務否認と裁判(租税回避行為の否認)

第11回 6月23日(火) 代替投資ファンド (ヘッジファンド・プライベートエクイティファンド等)
五十嵐誠弁護士
1. 金融商品取引法上の集団投資スキーム規制
(1) 規制の概要-販売と運用に関して
(2) プロ特例業務その他登録義務適用除外について
2. プライベートエクイティファンド
(1) 現行の典型スキームと法的諸問題
(2) LPS、有責組合への金商法等の影響
3. ファンドオブヘッジファンズ
(1) 現行の典型スキームと法的諸問題
(2) 外国投信/投資法人への金商法等の影響

第12回 6月30日(火) 信託と新しいファイナンス手法・スキーム
有吉尚哉弁護士
信託に関わる当事者の権利関係を整理し、信託スキームの基本的な構造を概観した上で、新しい信託法の下で認められた特殊な形態の信託(自己信託、事業の信託、セキュリティ・トラスト)を用いたファイナンススキームの利用可能性や法的課題について考察する。
1. 信託を巡る基本的な権利関係
2. 自己信託を用いた保有資産の証券化
3. 事業の信託を用いた資金調達
4. セキュリティ・トラストのメリットと法的論点

第13回 7月7日(火) インサイダー取引等
錦織康高弁護士

第14回 7月14日(火) シンジケートローン
上野正裕弁護士
1. シンジケートローンの概説
2. シンジケートローン契約の主要な内容
3. 担保付シンジケートローン
4. クロスボーダーのシンジケートローン

第15回 7月21日(火) プロジェクトファイナンス
佐藤長英弁護士
1. プロジェクトファイナンス
(1) 資金使途の限定と返済財源の限定
(2) リスクのコントロールとアロケーション
2. 国内PFI(Private Finance Initiative)案件
(1) 典型的PFI事業(ハコ物整備)のキャッシュフローの特徴
(2) 民間収益事業並行実施型PFI事業(産業廃棄物処理施設)
(3) 完全独立採算型PFI事業(空港ターミナル)
(4) メインスポンサー片寄せ型事業(カード相互利用)
3. 海外PF(Project Finance)案件
(1) 電力案件と資源案件の相違
(2) ポートフォリオ・レンディング
i. 融資枠の設定方法の工夫(ボローイングベース・ファシリティ)
ii. 多法域権益買収案件
(3) ECAファイナンスの特徴